「高校生の通学が不便に…」 名鉄広見線、存続か廃止か? 年間赤字2億円と輸送密度1600~1700人の現実! 可児市長は難色も、市は火消しに躍起状態
岐阜県を走る名古屋鉄道広見線の新可児(可児市)~御嵩(御嵩町)間7.4kmが存続の危機に直面している。この区間の存続を巡り、沿線の地方自治体がどのような対応を取るかが今後のカギとなる。自治体は、路線存続のためにどのような覚悟を持つべきか、重要な判断を迫られている。
住民説明会で鉄道廃止に不安の声

岐阜県を走る名古屋鉄道広見線の新可児(可児市)~御嵩(御嵩町)間7.4kmが存続の危機に立たされている。沿線地方自治体は存続に向け、覚悟を決めることができるのか。
「鉄道がなくなれば名古屋への通勤や高校生の通学が不便になる」
「バス転換しても運転士不足の中で確保できるのか」
御嵩町が1月末、御嵩町防災コミュニティセンターで開いた広見線の今後に関する住民説明会。出席した約60人の住民から鉄道が消えることに不安の声が上がった。
新可児~御嵩間は年間2億円程度の赤字路線。沿線の御嵩町と可児市、八百津町が名鉄と協定を結び、年間に
・御嵩町:7000万円
・可児市:3000万円
の計1億円を支援している。しかし、名鉄が2024年夏、現行の方式では維持が困難として2025年度限りで協定を更新しない方針を伝えてきた。説明会はこれに対する対応を住民に報告するために開かれた。
御嵩町は区間の将来についてBRT(バス高速輸送システム)転換、第三セクター化などの選択肢から
・バス転換
・名鉄が運行を継続し、沿線自治体が路線の土地や施設、車両を所有するとみなして修繕や設備投資の費用を負担する“みなし上下分離”方式で路線維持
の2案に絞り、可児市、八百津町と協議していることを明らかにした。