子どもの自転車事故で人生終了? 10歳児童「過失100%」判決が示す高リスク社会! 過去には9500万円賠償ケースも
自転車事故の増加が社会的課題となっている。2023年の自転車関連交通事故は7万2339件に達し、全体の23.5%を占めた。未成年者の事故も多く、親の監督責任が問われるケースが増えている。兵庫県での判決では「自転車側の過失100%」が認定され、保護者の指導と保険加入の重要性が浮き彫りになった。損害賠償は数千万円規模に及ぶ例もあり、自転車利用者のリスク管理が急務となっている。
増加傾向にある自転車事故

自動車と自転車による事故は、現在も頻繁に発生している。日本損害保険協会(東京都千代田区)の「自転車事故と保険の自転車事故の発生状況」によれば、2023年の自転車乗用中の交通事故件数は7万2339件に上り、交通事故全体の23.5%を占めている。2016年以降、増加傾向が続いているのが現状だ。
自転車乗用中の交通事故死傷者数を年齢別に見ると、
・14歳以下:11.2%
・15~19歳:18.5%
を占め、若年層が全体の約3割に達している。このように、未成年者による自転車事故は少なくない。
兵庫県西宮市の交差点では、10歳の児童が運転する自転車と自動車が衝突する事故が発生した。一般的に、自転車と自動車の事故では自動車側の過失が大きいと考えられがちだ。しかし、この事故をめぐる訴訟では、そうしたイメージを覆す
「自転車側の過失100%」
という判決が下された。このニュースを知ったとき、一児の母である筆者(小島聖夏、フリーライター)の頭にある疑問が浮かんだ。自転車を運転していたのは10歳の小学生で、責任能力も賠償金の支払い能力もない。では、賠償責任は誰が負うのか。
未成年者の監督責任は親にあるため、子どもが過ちを犯した場合、親にも責任が発生する。では、自転車で事故を起こしたとき、保護者にはどのような責任やリスクが生じるのか。