「地元として要望しているわけではない」 北陸新幹線延伸計画、京都市・松井市長が危惧! 説明会開催で府民の不安は解消されるのか、それとも着工へのアリバイ作りか?

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国が京都府での説明会開催を決めた北陸新幹線・小浜京都ルート。しかし、京都府・京都市は依然慎重姿勢を崩さず、財政負担や環境影響を懸念。地下水問題や建設残土処理を巡る専門家の指摘、市民の反対運動も収束の気配はない。さらに、石川県から米原ルート再考の声が高まるなか、計画の行方は混迷を深めている。2025年度の着工を断念する事態となった今、説明会は理解促進の場となるか、それとも計画の正当性を揺るがす火種となるのか。

説明会の結果に悲観的予想が多数

琵琶湖の約8割に達する大量の水があるといわれる京都盆地(画像:Batholith)
琵琶湖の約8割に達する大量の水があるといわれる京都盆地(画像:Batholith)

 松井市長は12月のヒアリングで四つの懸念を挙げた。

・地下水への影響
・建設残土の処分地確保と運搬
・工事中の交通渋滞
・重い財政負担

市民の不安を代弁し、整備委員会に懸念解消を求めた格好になる。西田委員長は記者会見や自身のユーチューブチャンネルで

「科学的知見に基づく正しい情報が浸透していない。発表の場ができれば必ずご理解いただける」

と自信を見せるが、反対の声は一向に収まらない。反対の声はルート周辺の住民だけでなく、

・保守系の地方議員
・経済団体
・仏教界

にまで広がった。大学の研究者ら専門家からも地下水への影響などで問題点を指摘する声が相次いでいる。

 京都府南丹市美山町で反対運動をしている長野宇規田歌区北陸新幹線問題対策委員長は

「リニアのトンネル工事で水枯れや道路陥没が発生している。説明会には反対しないが、府民の不安に真摯に回答しなければ、火に油を注ぐ結果になるのでないか」

と指摘する。京都市議の間では「説明会を開いても議論は平行線をたどりそう。整備委員会が説明会開催をアリバイに強行突破を図れば、余計に事態が混乱する」と悲観的な見方もあった。

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