初代レクサスNXの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(18)
初代レクサスNX200tは、発売から8年経った今でもその魅力が色あせない。俊敏な加速、優れた燃費性能、広大なサブトランクなど、初代モデルならではの魅力は依然として高評価を得ている。特に、300万円台で手に入る新古車は、レクサスならではの高級感と安全性を求める消費者にとって魅力的な選択肢だ。
開発責任者の変遷と成長
新型NXは、人気モデルに多く見られる「キープコンセプト」のフルモデルチェンジが行われた。さらに、初代から7年を経て発売されたにもかかわらず、開発責任者が同じ人物である点は、特に日本メーカーにおいては珍しく、注目に値する。
2014年のインタビューによれば、初代NXの開発はリーマンショック後の厳しい時期に始まったため、困難な状況下で進められたという。そのため、エンジンや各種要素を「Premium Urban Sports Gear」という新しいコンセプトで作り上げたと、開発責任者である加藤武明氏は語っている。初代NXがまだ成功するか不確かな状況だったため、明確なコンセプトワードを用いて関係者に意図を伝える必要があったのだろう。
しかし、7年後に登場した新型NXに関するインタビューでは、加藤氏は特別なスローガンを掲げることなく、「言葉で示すより、ファクトを積み重ねることが大事」と述べている。この発言は、すでに「成功」が確立されたことを意味しているのかもしれない。
筆者(J.ハイド、マーケティングプランナー)は高額な製品を購入する際に明確なコンセプトを重視するタイプであるため、加藤氏の発言の変化には驚きを感じた。実際、新型NXのデビュー直後の2022年1月に初代NX200t Fスポーツ2014年モデルを購入し、特に大きな不満もなく、むしろ乗るたびに感心しながら距離を重ねている。
本稿では、筆者が初代レクサスNX 200t(ガソリン仕様)を「やばい!」と思う四つのポイントについてこれから解説する。