最高時速110km! 中国製電動キックボードは「日本の高速道路」を爆走できるのか? 法規制と技術革新の狭間で考える

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電動キックボードの技術進化は目覚ましく、海外では高出力モデルが登場。しかし、日本では規制が厳しく、高速道路走行の可否を巡る課題が浮上。高出力車両の導入には法的なハードルが多く、今後の規制動向が注目される。

日本市場での規格適合の難しさ

電動キックボードについて(特定小型原動機付自転車以外)(画像:警視庁)
電動キックボードについて(特定小型原動機付自転車以外)(画像:警視庁)

 電動キックボードは、自動二輪車と同様に出力に基づいて区分されている。以下は警視庁の公式サイトからの引用だ。

「電動キックボードは、道路交通法上の「車両」に該当し、電動式モーターの定格出力等に応じた車両区分に分類されます。原動機の定格出力が0.60kW以下の電動キックボードは、道路交通法上の原動機付自転車に該当し、さらに大きさや最高速度等が一定の基準に該当するものは特定小型原動機付自転車に、それ以外のものは一般原動機付自転車に区分されます。また、定格出力が0.60kWを超える場合は、その出力に応じて、道路交通法上の普通自動二輪車等に該当します」

この点を考慮すると、先に述べたINMOTION RSは普通自動二輪車に分類されることになる。しかし、警視庁の公式サイトには以下のようにも記載されている。

「道路運送車両法の車両区分に応じた装置が必要です。制動装置、前照灯、後写鏡等の構造や装置について、車両区分に応じた保安基準に適合しなければ、運行の用に供することはできません(歩道、車道を含め道路を走行することはできません)」

さらに、ナンバープレートを装着するためのスペースも必要となる。電動キックボードはその車体が比較的小さいため、これらの要件は日本の公道を走行するための大きな障壁となる。

 とはいえ、海外から高出力の電動キックボードを輸入したり、自社開発したりして国内で販売に成功する業者も少なくない。実際には、警察庁や国土交通省と綿密に協議を重ね、日本の規格に適合させる必要がある。

 規制に適合しない製品が販売された場合、国交省から販売停止の指示が出される可能性もある。したがって、この分野でのビジネスは容易ではなく、販売者にとっては非常に厳しい環境といえる。

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