名豊道路が全線開通したら、静岡県中部は「中京経済圏」に完全に組み込まれるのか? その影響を考える

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名古屋市と豊橋市を結ぶ名豊道路が全線開通し、信号のない無料区間が約100kmに広がることになる。これにより、中京経済圏の影響が静岡市を中心とする県中部にも波及する可能性が高まっている。地域間の交通が便利になることで、経済活動や文化交流にどんな変化が起こるのか。その背景や期待を詳しく解説する。

道路を活用したスタートアップ育成

鈴木康友氏(画像:全国知事会)
鈴木康友氏(画像:全国知事会)

 2024年、静岡県知事に就任した鈴木康友氏の姿勢を改めて見てみよう。

 鈴木氏の第一の公約は「スタートアップの育成」だった。この「スタートアップ」という考え方は、静岡県中部の住民にはあまり馴染みがないものだ。

 特に静岡市では、新興企業よりも既存企業を重視する傾向が強く、市民の考え方は非常に保守的といえる。しかし、新しい道路を活用してスタートアップを支援する計画が今後出てくる可能性もあるだろう。

 実際、中部横断自動車道の静岡~山梨区間が全面開通した際には、甲府市でスタートアップのピッチイベントが行われるなど、道路がもたらす経済効果を見込んだ企画が実施された。

 また、沿線地域の地方銀行や信用金庫が物流関連事業に多額の出資をしている例もある。名豊道路でも、同じような現象が起こる可能性は十分にあるだろう。

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