マツダSKYACTIV-Z、「相反する燃焼技術」をどう両立させるのか? 2027年登場に向けて大胆予測する

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マツダが2025年3月期の決算発表で明らかにした新型ガソリンエンジン「SKYACTIV-Z」。2027年の市場投入を目指し、ラムダワン燃焼とスーパーリーンバーンの両立を狙うこのエンジンは、燃費向上とNOx削減を実現する革新技術の宝庫だ。果たして、マツダはエンジンの進化をどこまで進めるのか?

「EGR活用で進化する燃費革新

SKYACTIV-X燃焼モード。マツダ技報 No.36(2019) P.21より(画像:マツダ)
SKYACTIV-X燃焼モード。マツダ技報 No.36(2019) P.21より(画像:マツダ)

 ラムダワン燃焼とスーパーリーンバーンを両立させるためには、EGR(排ガス再循環)の大量使用が有効な方法となる。これは、SKYACTIV-Xをさらに進化させた技術が考えられる。

 EGRは、排ガスの一部を吸気側に戻し、混合気に排ガスを混ぜるシステムで、現在のエンジンには欠かせない機能だ。その効果は多岐にわたり、不活性ガスを導入することで燃焼温度が低下し、ポンピングロス(エンジン内部での無駄なエネルギー損失)が減少する。これにより、排ガス規制への対応や効率向上が実現できる。

 SKYACTIV-Xでは、マツダ独自の圧縮着火方式であるSPCCI燃焼とリーンバーンを組み合わせて低燃費を実現しており、運転状況や環境に応じて三つの燃焼モードを使い分けている。

1.ストイキ燃焼モード:極低温時など
2.G/Fリーン SPCCI燃焼モード:中高速域など
3.A/Fリーン SPCCI燃焼モード:低速域など

2と3はどちらもリーンバーンを目指したモードだが、3は空気と燃料の割合でリーンになっているのに対し、2では空気と燃料の割合を濃くしつつ、大量のEGRを加えて全体として薄い燃料にしてリーンにする。SKYACTIV-Xで最も燃費がよいのは3だが、実際には2のモードが多く使用されており、結果的に燃費改善の効果はコストに見合うほど大きくなかった。

 そこで、SKYACTIV-Zでは、2モードで燃料と空気の割合をラムダワンに保ちながら、さらに多くのEGRを導入して燃料量を減らし、スーパーリーンバーンを実現することが考えられる。また、3モードでは従来のリーンバーンを進化させ、スーパーリーンバーンにすることで、さらに燃費改善を図ることができる。

 このアプローチにより、SKYACTIV-Xで培った技術を進化させ、ラムダワン燃焼とスーパーリーンバーンの両立が可能になるだろう。

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