内燃機関にこだわる「マツダ」 業績絶好調なワケ

キーワード :
,
マツダは2023年5月、2022年度の通期決算を発表し、過去最高の売上高となった。これまでの同社の変遷を通して、その要因を分析する。

「稼ぐ力」を証明した通期決算

CX60(画像:マツダ)
CX60(画像:マツダ)

 マツダ(広島県府中町)は2023年5月、2022年度の通期決算を発表し、過去最高の売上高となった。

 売上高は前年同期から22.6%増となる3兆8267億5200万円、営業利益はさらに36.2%増となる1419億6900万円。営業利益率こそ3.7%だが、当期純利益は前年同期比75.1%増の1428億1400万円に達した。しかし、グローバル販売台数は111万台と前年同期比14万1000台減だった。

 コロナ禍による急激な需要減、半導体の供給不足による生産減少、原材料やエネルギー価格の高騰、物流リスクなど、取り巻く環境は極めて厳しいものとなった。10%以上の販売台数の減少はかなり深刻な状態だ。

 その一方、この5年間、商品力強化、インセンティブの抑制、固定費の抑制、原価低減、経営効率の改善に取り組んだ結果、売上高を約600億円増加させた。すなわち1台あたりで計算上は約90万ものプラスとなっており、かねてより同社が課題とした

「稼ぐ力」

をコロナ禍を経ながら向上させたことになる。もし今後も維持できるなら、マツダは自動車メーカーとして優れた成果を収めているといえよう。

 高価格での販売を可能とした大きな理由は、

「車種の構成」

にある。マツダの好調の多くは、単価の高いスポーツタイプ多目的車(SUV)で支えられており、なかでもクリーンディーゼル(排ガスに含まれている窒素酸化物などを低減したディーゼル自動車)のラインアップは、国産のほかのメーカーとは比較にならない。

全てのコメントを見る