バス事故は年間2200件超! 急ブレーキを減らすために「間に合うダイヤ」が絶対必要なワケ
2021年に発生した事故の半数を占めるのが路線バスによるものだ。事故の主な原因は急ブレーキや急な車線変更で、これを減らすためには「間に合うダイヤ」の導入が重要だ。この取り組みによって、安全性が向上し、ドライバーのストレスが軽減され、乗客の満足度も高まる。渋滞や乗降時間を考慮した柔軟なダイヤの見直しが必要だ。
「間に合うダイヤ」とは何か

バス専門家の筆者(西山敏樹、都市工学者)のように、仕事で路線バスをよく利用していると、
「道が空いているのにどうしてこんなに遅れているんだ」
とドライバーに嫌みをいう乗客をよく見かける。自宅や職場の近くなら道の状況もわかっているから、つい文句をいいたくなるのかもしれない。
最近では、乗客も路線バスがどこを走っているか追跡できるようになり、
「この区間をこの時間で走るのは、実際に無理なんじゃないか(通行量などから無理だと判断できる場合など)」
と思うことも増えた。利用者から見れば、
「道路の状況や乗客の行動(運賃の支払い、高齢者の動きなど)」
を考慮してダイヤが組まれているのか、疑問に感じる場面も多い。バス停には「予定通過時刻」と書かれてはいるが、乗客はその予定を知らないか、無視しているのか、
「きちんと時間通りに走れるはずだ」
と苦情をいって、自然とドライバーを焦らせてしまう。
そこで注目されるのが「間に合うダイヤ」だ。これは、すべてのドライバーが無理なく適切な速度で運行でき、追い越しや急ブレーキが不要となり、ストレスや焦りを減らす余裕のあるダイヤのことを指す。だが実際には、道路の混雑状況や乗客の行動をベースにしていないダイヤも多く、単に
「普通に走ればこの時間にバス停に着く」
という予測だけで組まれているケースが目立つ。渋滞や乗降時間を考慮した余裕のあるダイヤにはなっていないことが多いのが現状だ。