新規ファン獲得の大きなカギ【連載】開かれたF1社会とその敵(5)

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F1は2025年に75周年を迎える。今、閉鎖的な構造から脱却し、オープンな社会への道を探っている。「マニアの存在」や「競技の複雑さ」が新しいファンを遠ざけているが、データのオープン化やVR観戦の導入が期待されている。多様な人材を受け入れることで、F1の未来は明るくなるだろう。

75年の進化と挑戦

2024年7月7日、英国中部のシルバーストン・サーキットで開催されたF1英国GPで優勝し、喜ぶメルセデスのルイス・ハミルトン(画像:AFP=時事)
2024年7月7日、英国中部のシルバーストン・サーキットで開催されたF1英国GPで優勝し、喜ぶメルセデスのルイス・ハミルトン(画像:AFP=時事)

 本連載「開かれたF1社会とその敵」では、F1の歴史と閉鎖的な構造に焦点を当て、変化の可能性を探る。F1の成長とともに形成された独自の「F1ムラ」における利益と利他の対立、新規チームの参入の難しさ、そしてオープンな社会への道筋を検証する。F1の未来と進化に向けた具体的な可能性を示し、閉鎖的な構造からの脱却戦略を提案する。

※ ※ ※

 1950年に始まったF1は、2025年で75周年を迎える。人が氷河期を生き延びたのも、日本や世界に数百年の歴史を持つ企業が存在するのも、F1が今なおモータースポーツの頂点にあるのも、すべては時代の変化に対応してきたからだ。

 他のスポーツも同様で、時代に応じてルールを変更してきた競技は多い。外部環境が変化するなかで、F1が今後もモータースポーツの頂点であり続けるための方策を考えてみたい。

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