新規ファン獲得の大きなカギ【連載】開かれたF1社会とその敵(5)

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F1は2025年に75周年を迎える。今、閉鎖的な構造から脱却し、オープンな社会への道を探っている。「マニアの存在」や「競技の複雑さ」が新しいファンを遠ざけているが、データのオープン化やVR観戦の導入が期待されている。多様な人材を受け入れることで、F1の未来は明るくなるだろう。

競技経験が影響

排他的なマニアのイメージ(画像:写真AC)
排他的なマニアのイメージ(画像:写真AC)

 バスケットボールの国内プロリーグであるBリーグが盛り上がっている。これは、48年ぶりに五輪への自力出場権を獲得した2023年のワールドカップの勢いが続いているからだ。さらに、日本の多くの人が学校の授業などでバスケットボールをプレーした経験があり、試合中継を見ていると自然と実感が湧いてくることも大きな要因だ。

 一方、モータースポーツは、運転をすることはあっても競争することが少ないため、バスケットボールや野球、サッカーなどと比べると実感がともなわず、競技そのものを理解しにくい。これが感情移入をしにくくする要因になっている。

 競技経験がないために実感がともなわず、感情移入できないスポーツは、F1に限らずブームで終わることが多い。例えば、

・ラグビー
・プロレス

がその例だ。特にプロレスは、ブームと衰退を何度も繰り返してきた。その要因について、「新日本プロレス」の親会社であるブシロードの木谷高明社長は著書『すべてのジャンルはマニアが潰す~会社を2度上場させた規格外の哲学~』(ホビージャパン)で、

「マニアの存在」

を指摘している。これは、新規参入者やファンになろうとする人を拒絶したり、見下したりすることがあるからだ。つまり、コミュニティーに「入りづらい」雰囲気があるのだ。

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