低速でも死亡? 子どもが「駐車場」で危険事故にさらされる根本理由

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駐車場での事故は決して珍しくない。2021年には新潟で3歳の女の子が、2022年には奈良で1歳の女の子が軽自動車にはねられて亡くなった。SOMPOリスクマネジメントの調査によると、駐車場内での「人対車両事故」は全体の30.7%を占めており、これは歩行者の視界不良やドライバーの油断が原因とされている。子どもを守るためには、親が手をつないで一緒に歩くことや、発進前に周囲を確認することが重要だ。

前方の事故に対してとられている対策

子どもと駐車場(画像:写真AC)
子どもと駐車場(画像:写真AC)

 小さな子どもを駐車場での事故から守るためには、クルマの周囲の安全対策が必要だ。バックガイドモニターで後方を確認することはできるが、前方の事故を防ぐためにはどのような対策があるだろうか。

 2023年6月5日、国土交通省は子どもを見落とす事故を防ぐために国連基準を導入すると発表した。この新基準により、乗用車などには運転席から見えにくい車両の直前や側面にいる子どもなどの歩行者を確認できるように、鏡やカメラモニター、ソナーなどの視覚装置や検知装置を備えなければならなくなる。

 この対策は「直前直左右確認装置に係る協定規則(第166号)」および「大型車の直接視界に係る協定規則(第167号)」の制定が合意されたことに基づく、国際的な安全基準の改正だ。

 しかし、想定されている大きさは

「5歳児を想定とした直径0.3m × 高さ1.0mのポール」

であり、それより小さい子どもへの配慮が不足している。この点については、今後クルマを購入する際に説明が必要になるだろう。ドライバーがしっかりと理解を深めることで、機能だけに頼らずに前方の確認が促進されるはずだ。

 先ほどの交通事故総合分析センターのデータによれば、歩行者が3歳以下の事故では、相手車の種類として「前方の見通しが悪い」とされる

・ミニバン
・ワンボックス

が52%を占めている。どちらもファミリーカーとして人気のある車種だ。そのため、自分が駐車場で事故の加害者になる可能性も大いにある。そうならないためには、運転する際に発進前に周囲を確認することが必須だ。

 また、歩行者の場合は子どもから目を離さず、できるだけ手をつないでおくことが大切である。こうした行動が、駐車場での不幸な事故を防ぐための対策になるだろう。

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