低速でも死亡? 子どもが「駐車場」で危険事故にさらされる根本理由

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駐車場での事故は決して珍しくない。2021年には新潟で3歳の女の子が、2022年には奈良で1歳の女の子が軽自動車にはねられて亡くなった。SOMPOリスクマネジメントの調査によると、駐車場内での「人対車両事故」は全体の30.7%を占めており、これは歩行者の視界不良やドライバーの油断が原因とされている。子どもを守るためには、親が手をつないで一緒に歩くことや、発進前に周囲を確認することが重要だ。

事故が重傷化してしまう原因

クルマの前に飛び出す子ども(画像:写真AC)
クルマの前に飛び出す子ども(画像:写真AC)

 子どもが駐車場で事故に遭い、重傷を負ったり亡くなったりするニュースはよく見かける。このような事故には何か原因があるのだろうか。

 交通事故総合分析センター(東京都千代田区)が公開しているリポート「低速で子どもが轢かれる事故~繰り返される発進時の悲劇~」によると、歩行者が0~3歳の場合、事故は自宅から

「50m以内」

で発進時に多く発生し、自宅から離れた場所では駐車場などでの事故が多いという。

さらに、歩行者とクルマが衝突した場合、一般的には速度が上がるとけがが重くなり、死亡率も上がる。しかし、2011年から2020年のデータによると、0~3歳の子どもについては、10km/h以下の低速での死亡割合が高いことが示されている。具体的なデータは次のとおりだ。

・事故の発生地点は自宅付近(50m以内):46%
・相手車の行動が発進時だったケース:74%

これから、自宅の駐車場から出発する際にも子どもが事故に遭う危険があることがわかる。

 また、事故が起きた際の歩行者の人身損傷主部位(最も重い損傷を負う部分)は

「頭部」

に集中している。これは、低速であっても子どもが「はねられる事故」ではなく、タイヤによって頭部を踏まれる「ひかれる事故」になるためだ。

 大人がクルマの前部に衝突した場合、重心が腰付近にあるため、脚部がバンパーで押され、ボンネット側に倒れることが多い。しかし、子どもは身長が低いため、胸部が押されて路面側に倒れやすい。このため、倒れた先がドライバーの死角となり、そのまま前進すると頭部がタイヤにひかれてしまう。

 このような理由から、小さな子どもは駐車場での事故に遭った際、重大な結果を招く可能性があることを認識しておくべきだ。

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