ロシアの弱点は「道路輸送」だった! 特異な物流構造からウクライナ侵攻を考える

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ロシアの物流構造の特徴は、鉄道、パイプラインといった装置型輸送路のシェアが高い。また、道路輸送のシェアが極端に低いという物流構造の特徴はさらに強まっている。

鉄道輸送への過信

大国ロシアのイメージ(画像:(C)Google)
大国ロシアのイメージ(画像:(C)Google)

 第2次世界大戦の最終局面で、ソ連は勝利したヨーロッパ戦線からシベリア鉄道を使って5000両の戦車輸送を行うなど、関東軍の予想を上回るスピードで対日戦の補給準備をととのえて対日宣戦布告を8月8日に行い、直ちに満洲に攻め込んだ。

 当時の対日戦に従事した旧ソ連陸軍ガレエフ将軍は「日本軍の防御線を攻撃すると、日本兵が下着姿で飛び出てきた」と奇襲の成功を語っている(ネットフリックス「エイジ・オブ・バトルタンク」2017年、シーズン1-3)。

 日本の関東軍はこうした迅速なソ連の参戦をあらかじめ察知できずに「奇襲」を許し、撤退戦の準備もととのわないままに軍が崩壊した。このため、満蒙開拓団をはじめとする在留民間人を置き去りにしたまま、軍人・軍属、およびその家族からわれ先にと戦地から逃げ出し、多くの民間人が満洲で犠牲となり、中国残留日本人やシベリア抑留などの問題が深刻化させたのだった。

 日露戦争でバルチック艦隊に勝利した成功体験が、その後の日本軍の大艦巨砲主義を生み、航空兵力で勝敗が決した太平洋戦争に惨敗したように、鉄道輸送の機動性を生かした対日参戦の勝利がソ連にとっての成功体験となって、ウクライナ戦の失敗を招いているとみなすとすると、それはうがちすぎであろうか。

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