第3次大戦なら「国内ガソリン価格」はどうなる? ウクライナ侵攻で熟考すべき三つの予測シナリオ

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ウクライナ情勢による国内ガソリン価格の推移について、代表的な三つのケースから分析。何がキーになるのか。

最も警戒するべきは長期化・泥沼化

自動車のガソリンメーター(画像:写真AC)
自動車のガソリンメーター(画像:写真AC)

 最後に、3の「ロシア軍がウクライナを征服し、傀儡政権を樹立する」ケース。これが、三つの中で最も可能性が高く、最も警戒すべきシナリオだ。

 開戦後、ウクライナの善戦とロシアの苦戦が伝えられているが、両国の戦力差からして、

・キエフ陥落
・ゼレンスキー大統領の退陣
・傀儡政権の樹立

という展開は十分にありうる。

 ただ、世界の大半の国は傀儡政権を承認しないし、旧ウクライナ勢のゲリラ戦が続くので、ロシアが勝っても一件落着ではなく、事態は行き詰まり、泥沼化する。日中戦争の南京陥落(1937年)を思い出してほしい。

 この状況で、アメリカや欧州連合(EU)が経済制裁を解除することはありえないので、ロシア経済は壊滅的な打撃を受ける。また、ロシアに天然ガスなどを依存するEU諸国にも大きなダメージを被る。この状態が長引くと、ロシア・EU発で世界的な景気が後退に向かうことだろう。

 2021年からの原油価格の高騰は、コロナショックからの景気回復で石油需要が増えたことが大きな要因だった。もし本格的な景気後退になったら、原油価格はコロナショック前の50~70ドルまで下がってもおかしくない。国内のガソリン価格も130円以下の水準に戻るだろう。

 ガソリン価格についてはこのシナリオが最も安くなるのだが、喜んではいられない。ガソリンが少しくらい安くなっても、景気が低迷し給料が上がらないとなると、トータルでは国民に最も悪影響が及ぶ。

 今回、個人的に残念なのは、政府の対応が場当たり的なことである。ロシアのウクライナ侵攻は決して青天霹靂(へきれき)でなく、2021年後半から懸念されていた。国内のガソリン価格や補助金・税制をどうするかは、事前に検討しておくべきではなかったか。

 遅ればせながら、ガソリン価格のみならず、エネルギー政策について議論を深めることを期待したい。

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