第3次大戦なら「国内ガソリン価格」はどうなる? ウクライナ侵攻で熟考すべき三つの予測シナリオ
第3次世界大戦勃発でも高値安定

つぎに、2の「NATOやアメリカが参戦し、第3次世界大戦が勃発する」ケース。もちろん、戦禍という点では三つのシナリオの中で最悪だ。
アメリカのバイデン大統領は2021年12月、ロシアがウクライナに侵攻した場合、米軍をウクライナに派遣することを「検討していない」と表明している。また、NATOも参戦には及び腰だ。
ただし、現在でもアメリカ・NATOはかなりの軍事支援をしているし、「将来にわたって参戦しない」と確約したわけではないので、ウクライナがいよいよ危ないとなったら、方針転換し、直接参戦することはありうる。
では、実際にアメリカ・NATOが参戦したらどうなるか。ロシアが対抗して核兵器を使用するかどうかなど、不確定要素が多い。ただ、ロシアはあっさり降伏し、戦争は1か月などの短期で終結すると思われる。ロシアの国内総生産(GDP)は1兆7107億ドルとアメリカの10分の1未満(世界11位)に過ぎず、世界中を敵に回して戦う経済力・国力はないからだ。
この場合、原油価格は乱高下する。
まず「第3次世界大戦勃発」というニュースに反応して150ドルを超える。もしロシアが核兵器を使用したら、場合によっては200ドルを突破するかもしれない。ただ、それは一時的で、すぐにロシアの敗北が見えてきて、100ドルを目指して急落するだろう。
一方、国内のガソリン価格は、そこまで大きな動きにはならない。政府はすでに元売りへの補助金を1l当たり25円まで引き上げており、第3次世界大戦勃発となったらこの上限をさらに引き上げ、4月以降も継続し、価格安定に努めるだろう。
したがって、一時的にガソリン価格が高騰しても200円を超えることはなく、ロシア敗退とともに140~170円のレンジに戻ると思われる。
なお、元売りへの補助金ではなく、揮発油税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の発動を求める声が国会でも国民の間でも高まっているが、これはどうだろう。
トリガー条項の発動には、
・法改正
・税収減に見舞われる自治体との調整
が必要だ。
実現するとしても1か月以上先になりそうで、今回の危機への即効薬にはならない。財務省の反対も強く、議論・調整が難航しているうちにガソリン価格が下がり、うやむやになると予測する。