都営メトロ乗継券の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(13)

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東京メトロと都営地下鉄を乗り継ぐ際に利用できる乗継割引の魅力をご存知だろうか。現在ではICカードが主流となり、紙の切符を使う機会は少なくなったが、実は紙の乗継券を使うと驚くほどお得になるのだ。

やばいポイント4「毎日使えば定期より安い?」

定期運賃との比較表。著者作成(画像:北村幸太郎)
定期運賃との比較表。著者作成(画像:北村幸太郎)

 通勤時にこの方法を使うことを考えてみよう。

 1か月に20日出勤する場合、290円×20日 = 5800円。これに対して東京メトロの1か月定期券は8970円で、毎回切符を買う手間と、都営地下鉄利用の際、浅草線東日本橋~新宿線馬喰横山間の乗り換え(いったん改札を出る必要がある)の労を惜しまなければなんと

「月3170円」

も安くなる。月3000円では、月20日勤務とすれば1日あたり150円ぽっちかと思うかもしれないが、東京メトロのポイント「メトポ」をためるために朝30分~1時間早起きして、もらえるポイントが1日最大25円分であることを考えれば、お得度がグッと高く感じられるはずだ。それに月3000円もの節減効果、従来の3分の2の通勤交通費で済むなら、経理担当者も見逃せないだろう。

 安くなる区間はほかにもある。例えば住吉から中野坂上への場合だ。この場合、購入する乗継券は東京メトロ住吉駅~都営地下鉄住吉駅という経路になる。最短の乗継ルートは清澄白河乗り換えなので、

「東京メトロ半蔵門線住吉~清澄白河間180円 + 都営地下鉄大江戸線・新宿線清澄白河~住吉間180円」

で、乗継割引70円が適用されて290円になる。

 この区間は、乗継券を購入すると東京メトロの1か月定期券9100円と比べて月3300円(月20日利用の場合)安くなる。同区間で都営地下鉄の定期券も購入できるが、これと比較するとなんと1か月定期券1万790円のところが月5800円となり、なんと月4990円もお得だ。実に46%安、ほぼ半額だ。

 新宿から押上へも、前述の浅草や住吉と同じ考え方で、乗継券290円で利用できる。新宿~押上間は東京メトロ丸ノ内線・半蔵門線の定期だと1か月9150円、都営浅草線・新宿線だと同1万250円となるが、乗継券を月20日利用する場合は5800円で済むため、東京メトロの定期より3350円、都営の定期と比べると4450円も安くなる。

 ただし要注意点がある。逆に押上から新宿への場合は運賃が異なるのだ。東京メトロ押上発都営地下鉄押上までの最短経路は住吉乗り換えとなり、

「東京メトロ押上~住吉間180円 + 都営地下鉄住吉~押上間220円」

に乗継割引70円適用で330円となる。ただし、これでも都営メトロ乗継券20回で月6600円。東京メトロの1か月定期より2550円、都営の定期より3650円も安くなる。

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