都営メトロ乗継券の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(13)

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東京メトロと都営地下鉄を乗り継ぐ際に利用できる乗継割引の魅力をご存知だろうか。現在ではICカードが主流となり、紙の切符を使う機会は少なくなったが、実は紙の乗継券を使うと驚くほどお得になるのだ。

やばいポイント3「発着駅が同一でも1枚の券で実質往復利用可」

新宿~浅草実質片道145円。著者作成の使用例の路線図(画像:北村幸太郎)
新宿~浅草実質片道145円。著者作成の使用例の路線図(画像:北村幸太郎)

 つまり、実質往復利用もできるのだ。

 これまでは、A駅からB駅へ移動して数時間滞在したのちにC駅へ向かうことを想定した内容だったが、実は最終的な着駅が発駅と同じA駅でもOKなのだ

 同一駅発着でもメトロの駅から入って乗継駅まで行き、出発駅の都営側の改札から出る、あるいはその逆もできる。改札が会社ごとで違い、別駅扱いとなっているためだ。ただし都営とメトロで共同の改札機を利用する駅、例えば九段下駅や白金高輪駅などは同一駅扱いのため対象外である。

 東京メトロと都営地下鉄の改札外乗換駅(本稿で対象となる駅)は次のとおりだ。

 中野坂上、新宿、青山一丁目、六本木、麻布十番、月島、清澄白河、門前仲町、上野御徒町・仲御徒町、本郷三丁目、春日・後楽園、飯田橋、東新宿、新宿西口、押上、浅草、人形町・水天宮前、日本橋、東銀座、新橋、新宿三丁目、市ヶ谷、神保町、小川町、岩本町、住吉、大手町、日比谷

 この乗り方は過去に筆者が東洋経済オンラインで紹介した際、東京メトロ・東京都交通局双方から

「規則上問題ない」

と回答を得た乗り方だ。これがOKなら、例えば新宿~浅草間は東京メトロの片道252円が、実質

「片道145円(乗継券290円 ÷ 2)」

実に42%オフ、東京メトロ初乗り運賃180円よりも安い。

 からくりとしては、丸ノ内線の新宿駅から浅草駅経由で都営新宿線の新宿駅に電車で行く場合、最短のルートは新宿三丁目駅乗り換えだ。同駅は新宿の隣の駅なので両線とも初乗り運賃となり、東京メトロは180円、都営地下鉄は180円。両者を合算したうえで、70円の乗り継ぎ割引が適用されて290円となる。

 運賃の計算上はこのルートとなるが、前述のとおり、制度上は必ずしも最短ルートを通らなくてもいい。このため、浅草で乗り換えても同じ運賃となるのだ。そして都営・東京メトロの乗継駅では乗継の時間制限がないため、用事や観光、遊び、仕事に使えて片道の切符なのに実質往復利用ができるのだ

 ほかにも、実質的に往復となり、利用価値が高そうな区間を考えてみた。いずれも運賃は290円だ。

●新宿から上野広小路・上野御徒町へ(アメ横でショッピング)
・往路:東京メトロ 新宿~(丸ノ内線)~赤坂見附~(銀座線)~上野広小路
・復路:都営地下鉄 上野御徒町~(大江戸線)~新宿西口
※都営大江戸線で往復した場合 = 440円(実質34%オフ)

●新宿から後楽園・春日へ(野球観戦に)
・往路:東京メトロ 新宿~(丸ノ内線)~四ツ谷~(南北線)~後楽園
・復路:都営地下鉄 春日~(大江戸線)~新宿西口
※東京メトロで往復した場合 = 418円(実質31%オフ)

●新宿から押上へ(スカイツリーを登ろう)
・往路:東京メトロ ~(丸ノ内線)~大手町~(半蔵門線)~押上
・復路:都営地下鉄 押上~(浅草線)~東日本橋/馬喰横山~(新宿線)~新宿
※東京メトロで往復した場合 = 504円(実質42%オフ)

●新宿から新橋へ(ビジネスに使える)
・往路:東京メトロ 新宿~(丸ノ内線)~赤坂見附~(銀座線)~新橋
・復路:都営地下鉄 新橋~(浅草線)~大門~(大江戸線)~新宿
※東京メトロで往復した場合 = 418円(実質31%オフ)

●新橋から浅草へ(浅草観光に)
・往路:東京メトロ 新橋~(銀座線)~浅草
・復路:都営地下鉄 浅草~(浅草線)~新橋
※東京メトロで往復した場合 = 418円(実質31%オフ)

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