交通事故を起こした際、ディーラーがやたらと「新車購入」を勧めてくる理由
ディーラーの営業マンは、事故にあって修理が必要な顧客に新車を勧める絶好の機会と考える。事故の補償額が修理費を上回る場合もあるし、年式が低いクルマの場合は全損でも高額な補償が期待できる。営業マンはこの機会を利用して、顧客に新車の購入を勧めるのだ。
事故車で得られる予想以上の補償金

これは豆知識だが、修理をしないほうが顧客にとって得なケースがある。そのひとつが、
「低年式車の事故」
である。低年式車とは、年数が経過した、いわゆる古いクルマのことである。低年式車は二束三文で下取りされることが多いが、事故による損傷を受けた場合、時価以上の金額を受け取れるケースもある。
いわゆる 「全損」の場合は、普通に下取りに出すよりも多くの金額を受け取ることができる。もちろん、新車に買い替える経済的な余裕がなければ、この提案は無意味だが、営業マンにとっては絶好のチャンスである。
特に「もらい事故」で「全損レベルの損害状況」の場合、相手が対物超過特約に加入していれば、顧客に支払われる補償金はかなりの額になる可能性がある。
筆者もディーラー勤務時代にそのようなケースに遭遇したことがあるが、15年落ちのセダンの修理代+αで80万円が支払われ、顧客が新車に買い替えたケースもあった。
このように、一度味をしめた営業マンは、事故が起きると新車を勧めることが多い。若い営業マンであっても、先輩営業マンや会社からそのような勧め方をするように指示されている場合もあるので、顧客は注意が必要だ。