クルマ購入時、ディーラーがやたらと「延長保証」を勧めてくる理由

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ディーラーでクルマを購入する際や、車検入庫の際、ユーザーはメーカー保証を延長できる「延長保証」への加入を勧められる。どんなメリットがあるのか。

一般保証と特別保証

自動車ディーラーのイメージ(画像:写真AC)
自動車ディーラーのイメージ(画像:写真AC)

 ディーラーでクルマを購入する際や、車検入庫の際、ユーザーはメーカー保証を延長できる「延長保証」への加入を勧められる。本稿では、保証を延長することがユーザーにとってどのようなメリットがあるのか、それに加えて、手続きするディーラーにとってどのようなメリットがあるのかを解説する。

 まず大前提として、クルマにはメーカーから2種類の保証が用意されていることから説明しよう。クルマを新車で購入した場合、自動車メーカーから

・一般保証
・特別保証

が提供される。これらの保証について、以下に詳しく説明する。

 一般保証は、エアコン、パワーウインドー、オートスライドドア、純正カーナビ(オーディオ)などの快適装備について、登録から3年以内、または走行距離6万kmのいずれか早い方の期間内に自然故障が発生した場合、無償で修理してくれるものである。

 一方、特別保証は一般保証よりも保証期間が長い。具体的な期間は5年、または走行距離10万kmで、対象となる部品はエンジン、トランスミッション、サスペンションなど、クルマが走る、曲がる、止まるために不可欠な重要部品である。

 ただし、どちらの保証にもいくつかの制限がある。油脂類、ゴムパーツなどの消耗部品は保証の対象外である。つまり、対象は機械部分に限られるのだ。

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