経済効果は810億円! 宇都宮LRT「西側延伸」が引き起こす“都市再生”の大シナリオ、「JRと東武が近くなる」なんて序章に過ぎない

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宇都宮市は「芳賀・宇都宮LRT」の西側延伸計画を進行中。2030年代前半に約5kmが開業予定で、400億円の投資が見込まれる。成功すれば、宇都宮市は持続可能な都市モデルの先駆けとなる。

LRTで観光地と直結

芳賀・宇都宮LRT(画像:写真AC)
芳賀・宇都宮LRT(画像:写真AC)

 もうすぐ開業1年を迎える宇都宮市の次世代型路面電車「芳賀・宇都宮LRT」。そんな同LRTの西側延伸計画が本格化している。この計画では、JR宇都宮駅と東武宇都宮駅がLRTで結ばれ、利便性の向上が期待されている。

 しかし、この整備は計画の一部にすぎない。本稿では、LRTを起爆剤に宇都宮市がどのように街の抜本的な改善に取り組んでいるのか、改めて紹介する。

 現在の西側延伸計画では、JR宇都宮駅西口から教育会館前までの約5kmを整備することになっている。現在のところ、概算事業費は約400億円で、開業は2030年代前半を予定している。

しかし、計画はこれで終わりではない。まだ構想段階だが、LRTはさらに西の「大谷観光地」まで延伸する計画だ。大谷観光地は、特産品である大谷石の採掘場など観光施設が集積するエリアである。宇都宮市は2018年に「大谷地域振興方針」を策定し、2030年頃までに

「年間120万人の観光入込客数」

を目標に掲げている。LRT西側延伸はこの目標達成に大きく貢献すると期待されている。

 西側延伸計画が完成するとどうなるか。地図を見れば一目瞭然だ。LRTは市の中心部を通り、西は芳賀町の工業団地やニュータウンとして開発中の「ゆいの杜」付近を通る。西は大谷観光地のある城山地区に達する。LRTの計画がすべて実現すれば、宇都宮市はLRTを幹線とし、その停留所から路線バスネットワークが伸びることで、市内のどこへでも公共交通で行くことができるようになるのだ。

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