経済効果は810億円! 宇都宮LRT「西側延伸」が引き起こす“都市再生”の大シナリオ、「JRと東武が近くなる」なんて序章に過ぎない

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宇都宮市は「芳賀・宇都宮LRT」の西側延伸計画を進行中。2030年代前半に約5kmが開業予定で、400億円の投資が見込まれる。成功すれば、宇都宮市は持続可能な都市モデルの先駆けとなる。

成功した宇都宮のLRT、他都市の断念

2022年8月「駅西側におけるLRT等によるNCCの更なる推進について」より(画像:宇都宮市)
2022年8月「駅西側におけるLRT等によるNCCの更なる推進について」より(画像:宇都宮市)

 もちろん、LRTはそれだけで高い経済効果がある。現在の宇都宮市のデータでは、次のように試算されている。まちづくりの効果試算(駅西側)は

・関連産業の需要効果:約530億円(直接効果)
・市内各産業の需要増加:約140億円(1次効果)
・市内産業の需要増加:約140億円(2次効果)

で、直接効果、1次効果、2次効果を合わせると約810億円にも上る(駅東側は約900億円)。

 このように、LRT西側延伸計画は宇都宮市のネットワーク型コンパクトシティ(NCC)目標実現のための中核的施策であり、その成功は持続可能な都市経営のモデルケースである。

 しかも、この壮大な計画が実現できるのは今しかないということを忘れてはならない。2006年に富山ライトレールが開通して以来、LRTは将来を見据えた都市交通網の再編成として日本各地で構想されてきた。

 しかし、実際に実現できたのは宇都宮市だけである。それでも実現までには長い時間を要し、反対運動が絶えず、説得に多くの時間を費やしたため、2001年の本格始動後の市長選挙では争点となった。

 他都市の状況を見ると、宇都宮市の成功がいかに異例であるかがわかる。大阪府堺市は、東西交通網整備の切り札となるはずだったLRT計画を断念した。

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