経済効果は810億円! 宇都宮LRT「西側延伸」が引き起こす“都市再生”の大シナリオ、「JRと東武が近くなる」なんて序章に過ぎない
宇都宮市は「芳賀・宇都宮LRT」の西側延伸計画を進行中。2030年代前半に約5kmが開業予定で、400億円の投資が見込まれる。成功すれば、宇都宮市は持続可能な都市モデルの先駆けとなる。
LRT連携でバス路線刷新

LRTを契機としたバス網の再編は、特に期待される部分だ。「宇都宮市立地適正化計画」2021年5月版では公共交通施策のうち、そのネットワーク整備に次の方針を示している。
LRTを契機としたバスネットワークの再編は、計画のなかでも特に有望な部分である。2021年5月版の「宇都宮市立地適正化計画」では、公共交通施策のうちネットワーク整備について、次のような方針が示されている。
●基幹公共交通
都市の骨格となる鉄道とLRTを基幹公共交通として位置付け、拠点やその沿線における居住や都市機能の誘導・集積などにより、高水準のサービスを提供
・南北方向:JR宇都宮線、東武宇都宮線
・東西方向:東西基幹公共交通(LRT)を導入
●幹線バス路線等
沿線地域の特性に応じ、基幹公共交通軸と連携して拠点間を結ぶ幹線バス路線等のサービス水準を維持・向上また、LRTや地域内交通等と連携した幹線・支線からなる持続可能なバスネットワークを整備(バスネットワーク再編)
●地域内交通
郊外部地域などで地域の実状や交通需要に応じた多様な方策を検討し、生活の足の確保のため乗合タクシー等の地域を面的にカバーする地域内交通を導入既導入地区については、LRTやバス路線との連携強化を図り利便性向上
具体的には、現在JR宇都宮駅など市内中心部から放射状に伸びているバス路線を、地域内のLRT停留所を起点・終点とし、地域内を循環するバス路線に変更する。地域内をバスで移動し、LRTに乗り換えて都心や駅にアクセスする――というものだ。