東武日光特急の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(8)
東武の日光特急は、日光と鬼怒川温泉への至高のアクセス手段だ。豪華設備と最新の走行性能を誇り、特にN100系「スペーシアX」の個室やラウンジは国内最高クラス。広々とした座席や高速安定走行で、豪華な車内での食事体験も魅力。世界各国の富裕層も惹きつける、特別な旅の空間を提供している。
豪華特急の進化と競争
ただ日光方面はその需要の大きさゆえに、東武のほか、宇都宮から分岐する国鉄・JR東日本の日光線や道路アクセスとの激しい競争が古くから行われてきた。
特に1950年代から1960年代にかけての国鉄との競合関係は熾烈(しれつ)さを極め、国鉄側は上野や東京、新宿といった主要ターミナルからキハ55系や157系などの当時の最新鋭の車両に準急「日光」を走らせて本格的に対抗していた。
都心側のターミナルこそ山手線に直結しない浅草で不利な条件を突きつけられた東武は、日光方面の優等列車を快適性でアピールするようになり、国鉄との競争に勝ち、日光方面での地位を確立した。
そんななか、筆者(前林広樹、乗り物ライター)が「やばい!」と思うのが、
・優位性を確立した1720系「デラックスロマンスカー(DRC)」
・バブル期に登場した100系「スペーシア」
・現代のN100系「スペーシアX」
の三つの車両だ。いずれも車内設備の充実度は常識を逸脱しており、定期列車としては日本屈指の豪華特急といっても過言ではない。本稿ではそんな東武日光特急の「やばい!」と思う点をご紹介しよう。
なお、本稿で扱うのは時代ごとの最高スペックを持つ特急専用車両(N100系「スペーシアX」など)のみであり、かつての急行用車両やその置き換えとなった500系「リバティ」は対象から外して考える。