北陸新幹線「大阪延伸」 小浜・京都ルートに強力援軍! 狙いは“山陰新幹線”も、地元じゃ「在来線も困ってるのに」の塩対応

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北陸新幹線の大阪延伸が小浜・京都ルートか、米原ルートかで論戦が続くなか、小浜・京都ルートに援軍が現れた。山陰新幹線の誘致を願う山陰や北近畿地方の地方自治体だ。

山陰新幹線実現は難題山積

鳥取市の玄関口になっているJR鳥取駅(画像:高田泰)
鳥取市の玄関口になっているJR鳥取駅(画像:高田泰)

 だが、実現への道は険しい。

 島根県と鳥取県の合計人口は2020年で約122万人だが、国立社会保障・人口問題研究所の予測では、2050年に約90万人に減る。京都府や兵庫県、山口県の日本海側も過疎地域が大半で、大幅な人口減少が見込まれている。

 山陰本線には、国交省の有識者会議が存廃議論の対象とした輸送密度(1km当たりの1日平均輸送人員)1000人未満の区間が点在する。採算性から見れば、

「JR西日本の同意」

を得るのは簡単でない。整備新幹線の建設費はJR各社への貸付料を除いた残りの3分の1が都道府県負担となる。並行在来線になると見られる山陰本線を残すとすれば、各府県が第三セクターで運営しなければならない。

 コスト削減のため、路線を単線で建設する方法も自治体側で検討されているが、山陰縦貫市町村会議の試算では大阪市から鳥取市まで単線で整備しても約6900億円かかる。人口が激減する地域に財政的余力があるのだろうか。

 松江市のJR松江駅前にある松江勤労者総合福祉センターには、山陰新幹線整備を求める横断幕が掲げられている。しかし、横断幕を眺める人はほとんどいない。松江市伊勢宮町の飲食店主は

「本当にできるのかしら。在来線維持に困る時代なのに」

と話す。小浜・京都ルートを山陰新幹線整備のきっかけにしようと期待する山陰や北近畿の自治体の思いとは裏腹に、市民から冷めた見方も聞こえてくる。山陰新幹線の行方は依然、深い霧の向こう側にある。

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