「定期利用者が全然いない」 廃線危機の芸備線に立ちふさがる「輸送密度2000人」という高すぎる存続条件

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全国で廃止が進んでいるローカル線。岡山県と広島県の中国山地を走る芸備線にも、その危機が迫っている。同線に未来はあるのだろうか。

どうなる芸備線の行方

芸備線(画像:写真AC)
芸備線(画像:写真AC)

 沿線自治体による会議が2022年2月、開催された。そこでは、2021年11月が前年同月と比べて、土日祝日の1本あたりの平均利用者が増えたと報告されている。

 ただ残念ながら、5人が11人になっただけというオチだった。数字上は倍以上だが、いやはや焼け石に水である。ローカル線の廃止に至る過程では、

1.利用者の減少
2.運行本数の削減
3.利便性が低下
4.同様のルートを走る路線バスの需要増
5.赤字のさらなる拡大

という現象が起きる。芸備線は現在進行形でその渦中にいる鉄道なのだ。

 JR西日本では今後の見直し促進を念頭に、輸送密度2000人未満だった区間の収支を4月に公表するとしている。この情報開示で、従来通りの存続を訴えている沿線自治体への働きかけを行うものと見られる。

 芸備線の沿線自治体では利用促進プランも模索されるが、利便性の低さに加えて、人口減の続く中国山地の過疎地域ということを踏まえると、赤字解消はほぼ不可能だ。今求められるのは、たとえ赤字でも路線を存続させることの意義を、説得力のある意見として打ち出すことしかない。

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