「大規模イベント」開催後に乱れるバスダイヤ! 夏休みシーズンに備えてどう対応すべき? 米国データを基に考える

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大きなイベントの後には交通問題も深刻になる。米国の調査によると、アメフトの試合後にはダイヤの信頼性が24.5%低下するという。日本では、5月の山口ライブの後、約1000人が帰宅難民となった。

試合後のダイヤ信頼性「25%低下」

セントラルオハイオ交通局のウェブサイト(画像:セントラルオハイオ交通局)
セントラルオハイオ交通局のウェブサイト(画像:セントラルオハイオ交通局)

 同市の公共交通であるセントラルオハイオ交通局(COTA)が提供するバスサービスは、120万人以上の住民が住む地域にサービスを提供しており、2019年には

「1900万回」

の利用があった。分析によると、試合当日は、他の日に比べて、市バス運行ダイヤの信頼性が

「7時間以上」

も著しく低く、スタジアム付近を移動しないバス利用者でさえ、スケジュールで約束された時間内に目的地に到着していないことがわかった。これは予想されたことではあったが、運行ダイヤは大きく乱れた。

 もちろん、地元の人々はフットボールの試合日にはスタジアムに近づかないようにしているが、バス利用者はスタジアム付近でなくても影響を受けていたのだ。

 試合開始のかなり前からスタジアムに向かう人々で道路は混雑していたが、それほどひどいものではなかった。しかし、試合終了後の混雑はより過酷だった。スタジアムまでの時間は人によってまちまちだが、試合が終わると、ほぼ全員が同じ時間に帰路につくため、混雑はより深刻になった。

 具体的には、バスサービスの運行ダイヤの信頼性は、試合前のピーク時には平均より8.7%低かったが、試合後のピーク時には

「24.5%」

低かったのである。アメフトの試合が交通機関の運行ダイヤの信頼性に最も大きな影響を与えたピークは約7時間であったが、この間は“混乱の核心”にすぎなかった、と研究者たちは述べている。また、この7時間の前後でも、交通機関は少なからず影響を受けていたことも判明した。

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