軽自動車の王者「N-BOX」に何が起きた? 販売ランキングでついに「首位陥落」、その納得理由とは
軽自動車新車販売ランキングで、スペーシアが首位に。EVシフトとモデルチェンジの激化が市場を揺るがすなか、各社の競争が続く。
スペーシアの成功要因

全面改良から半年足らずで首位の座を獲得したスズキ・スペーシアの魅力は、どこにあるのか。主な特徴は、
・広々とした車室空間
・リヤシートに標準装備された「マルチユースフラップ」(オットマン機能)が付いた座りやすいシート設定
・スズキの軽自動車として初採用の車線維持支援機能(LKA:レーンキープアシスト)
など、普通乗用車に劣らない安全性能や全車標準装備のマイルドハイブリッドシステムによる低燃費などが挙げられる。また価格も、HYBRID・G(2WD/CVT)が消費税込み153万円からと、低めの価格帯であることも販売増に貢献しているようだ。今回の首位獲得についてスズキ広報は、
「安全性やデザインが評価された」
と分析しているが、ライバルであるダイハツ工業が、認証不正の影響で生産停止に追い込まれたことで、ダイハツの軽需要がスズキへ流れたという見方もできるだろう。
さらに、スズキが展開している一連のプロモーション施策が奏功したとも考えられる。スペーシアのテレビCMにはタレント・芦田愛菜が起用され、2024年5月CM好感度ランキング自動車部門では2位にランクインし、2024年に入ってから常に上位を維持している。芦田愛菜らが演じる4人家族というイメージが定着し、販売好調につながっているといえよう。