「京急蒲タコハイ駅」看板撤去騒動、悪いのはどう見ても「京急」「サントリー」側だ! その理由を冷静に分析する

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京急蒲田駅の駅看板や装飾がネット上で炎上している「こだわり酒場のタコスハイ」コラボ。その深層を探る。

治安問題が子育て阻害

京急蒲田駅(画像:写真AC)
京急蒲田駅(画像:写真AC)

 では、再開発によってマンションなどが増え、蒲田が子育て世代にとって住みたい街になっているのかといえば、違う。

 2022年の『大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略』によれば

「大田区は年代別に見て、20~24歳の転入超過が大きい一方、0~4歳および30~39歳が大きく転出超過の状態にあり、子育て世帯の流出の傾向がうかがえます」

としている。大田区では交通利便性の高さから子育て世帯の転入を期待しているものの、未就学児とその親世代の社会減が続いている。

 その要因としては、大田区が都内のほかの地域に比べて、交通利便性や住環境には優れているものの、

「子育て環境が劣っている」

ことが挙げられる。とりわけ、治安の問題は深刻だ。

 警視庁の2022年の犯罪統計を見ると、蒲田警察署管内の治安の悪さは際立っている。自転車盗難の認知件数は23区内で新宿、渋谷署管内に次ぐワースト3位の1143件。侵入窃盗も区内最多の440件で、23区南部ではワースト1位だ。

 さらに粗暴犯の発生率も高く、暴行の認知件数は518件と、大森、田園調布署管内を抑えて

「区内ワースト1位」

となっている。繁華街が隣接する蒲田の街は、犯罪の温床となっているのが実情だ。

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