「京急蒲タコハイ駅」看板撤去騒動、悪いのはどう見ても「京急」「サントリー」側だ! その理由を冷静に分析する

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京急蒲田駅の駅看板や装飾がネット上で炎上している「こだわり酒場のタコスハイ」コラボ。その深層を探る。

変化する蒲田のイメージ

京急(画像:写真AC)
京急(画像:写真AC)

 実は、大田区は子育て世帯の定住を重要施策に掲げ、蒲田の魅力向上に力を注いでいる。再開発によるマンションの建設や、子育て支援の充実など、着実な歩みを進めてきた。しかし、今回の企画は、そうした蒲田の新しい姿とは裏腹に、依然として

「飲み屋街というイメージ」

を前面に押し出している。まちの未来を見据えた施策と、目先の話題作りに終始する京急の姿勢には、大きなギャップがあるように感じられてならない。

 21世紀に入り、蒲田はJRと京急の2路線の利便性を生かし、ファミリー層の流入が期待されるようになった。京急蒲田駅西口の再開発とマンション建設は、その象徴といえるだろう。

 そうした地域の変化を受けて、大田区の子育て世代に対する支援は手厚い。例えば、2024年の予算案ではゼロ歳の第1子がいる家庭を生後半年から毎月訪問する事業に2億119万円を計上し、新たに3歳未満の多胎児家庭が乳幼児健診などに行く際のタクシー料金助成も導入した。

 また、理由のいかんに関わらず2歳未満から15歳まで、所得に応じて定額な自己負担で利用できる宿泊型ショートステイなど手厚い施策を導入。子育て関連予算は、1261億円となり、予算全体の3割超を占めている。

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