意外と知らない? エスカレーターの「片側」を空けてはいけない根本理由
歩行者のためにエスカレーターの人を片側に寄せた場合、エスカレーターの輸送能力は半分になる。その結果はどうなるだろうか。
集団意識の変化を促す手法

では、どうすればこの状況を変えることができるだろうか。
一度できあがってしまった記述的規範を壊すのはとても難しいし、問題を理解していたとしても、周りから白い目で見られるのに、堂々と空いている側に立つのは、なかなか勇気のいることだ。
しかし、アナウンスの方法を工夫すれば新たな記述的規範を作れるかもしれない。これまでこの問題は、エスカレーターを歩く人の問題として取り上げられ、「歩くのはルール違反ですよ」というアナウンスが行われてきた。しかし、エスカレーターの片側を空けてしまう人に当事者意識を持ってもらうためには、
「片側を空けるのはマナー違反ですよ」
というアナウンスが有効かもしれない。例えば、
・エスカレーターの輸送能力をフル活用するために、エスカレーターは2列で立ち止まって利用するのがマナー
・片側を空けるのは全員の平均移動時間を延ばしてしまうマナー違反の行為
という記述的規範が広まれば、片側を空けようとする人が、逆に白い目で見られるようになる。
もしこういった感覚を持った人の割合が増えてくれば、片側に寄る人が徐々に減っていき、エスカレーター上の歩行は断念せざるを得なくなる。
エスカレーター上での歩行を本当になくそうと思うなら、歩く人だけではなく、歩かない人も含めてみんなの規範意識と行動を変えていく必要があるだろう。