「国が対策打ち出せ」 赤字だらけの四国3路線、JR四国&沿線自治体はいつまで責任を押し付け合うのか?
JR四国が予土線など赤字3路線のあり方について沿線の地方自治体に協議入りを訴えて1年が過ぎた。しかし、事態は全く動いておらず、協議の入り口にも立てない状態だ。
行き着く先は再構築協議会か

岡山県と広島県を結ぶJR芸備線では、3月から全国初となる改正地域交通法に基づく再構築協議会が始まった。存廃協議の対象区間は岡山県新見市の備中神代(こうじろ)から広島県庄原市の備後庄原までの68.5km。しかし、初会合から路線を維持したい自治体側と維持できないとするJR西日本の主張が対立した。
JR四国は芸備線の協議の行方を注視しつつも、以前から
「再構築協議会に飛びつくことはない」
とし、沿線自治体との決定的な対立を避けようとしている。だが、これまでの利用促進策に限界があり、3路線を単独で維持することが困難という思いも抱えている。このまま膠着(こうちゃく)状態が続けば、行き着く先は再構築協議会しかない。
これに対し、四国の自治体は再構築協議会自体に疑念を持つ。行司役を務めることになっている国がどのような判断を示すのか、明らかになっていないためだ。四国でも旧国鉄末期に徳島県の小松島線が切り捨てられた記憶が残り、不安がぬぐえていない。
国が行司役を務めることにも批判がある。国鉄を分割民営化して採算が合うはずのないJR四国を誕生させ、経営安定基金の運用益で赤字補てんする枠組みを作ったのは国だ。牟岐線の沿線自治体は
「低金利時代になって経営の枠組みが崩れたのだから、国が新たな方策を打ち出すべき。第三者のように振る舞うのはおかしい」
と首をひねる。
沿線には通学の高校生や通院の高齢者ら鉄道を必要とする人がいるが、急加速する人口減少で自治体が存続できない可能性も出てきた。このままにらみ合いを続けていたのでは、苦境を抜け出せない。国は全国の鉄道ネットワークをどうしていくのか、はっきりと示す必要がある。JR四国と沿線自治体も
「負担と責任の押し付け合い」
を続けている場合ではない。