「格安観光地」に成り下がった日本! 観光公害の深刻化で「宿泊税」検討も、もはや混雑“ディズニーランド並み”の現実

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コロナ禍前を上回る訪日外国人観光客の殺到で観光公害が深刻化するなか、宿泊税などの対策を検討し始めた自治体が相次いでいる。その背景には、ますます厳しくなる自治体の予算が見える。

1~3月の訪日客数が過去最高

四条河原町のバス停で乗客を積み残して発車する京都市バス(画像:高田泰)
四条河原町のバス停で乗客を積み残して発車する京都市バス(画像:高田泰)

 コロナ禍前を上回る訪日外国人観光客の殺到で観光公害が深刻化するなか、「宿泊税」などの検討に入る地方自治体が相次いでいる。背景に厳しさを増す自治体の懐事情がうかがえる。たこ焼きをほおばりながら歩く若いカップル、グリコの看板前でポーズを取って記念撮影する家族連れ。4月末の土曜日、大阪市中央区の道頓堀かいわいは足の踏み場もない人出で埋め尽くされた。そのほとんどが欧米やアジア各地からやってきた訪日客だ。

 台湾から初めて来た女性(23歳)は「たこ焼きが大好き。やはり本場の味は違う」とにっこり。戎橋近くで営業するコンビニの店員は

「このところ人出がすごいが、今日もびっくりするほどいる」

と目を丸くしていた。

 京都市下京区の四条河原町では祇園方面へ向かうバス停で20人以上の市民が立ち尽くしていた。バスは次々に来るのだが、どれもほぼ満員状態。2、3人乗せては発車の繰り返しでなかなか乗車できない。なかにはバスをあきらめて歩き出す人も。千葉県浦安市から来た30代の夫婦は

「街全体がディズニーランドみたいな人出。歩いたほうが早い」。

 日本政府観光局は3月の訪日客数推計値がコロナ禍前の2019年3月比で11.6%増の308万人に達したと発表した。単月で300万人を超えたのは初めて。1~3月期も856万人で、第1四半期として過去最高を記録している。

 その結果、人気観光地は訪日客であふれ、観光公害が深刻さを増している。自治体はごみ箱やトイレの整備、交通整理、観光案内などで大忙し。想定外の支出も次々に発生する。これらの予算を捻出するために、自治体が相次いで新たな財源の模索に動き出した。

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