「国が対策打ち出せ」 赤字だらけの四国3路線、JR四国&沿線自治体はいつまで責任を押し付け合うのか?
牟岐線、予讃線も協議入り遠く

西牧社長が将来のあり方を議論したいとしたのは、予土線全線のほか、
・予讃線海回り区間の向井原~伊予大洲間(愛媛県)
・牟岐(むぎ)線の阿南~牟岐間
・牟岐~阿波海南間(徳島県)
の3路線4区間。2023年度の輸送密度は
・向井原~伊予大洲間:321人
・阿南~牟岐間:427人
・牟岐~阿波海南間:153人
と国の有識者会議が存廃論議の対象とした1000人を下回る。
JR四国は1987年の民営化以来、本業の鉄道事業で一度も
「黒字を達成した」
ことがない。2023年度決算は純損益が35億円の黒字に転じたが、国からの支援で赤字を埋めたからにすぎない。鉄道事業の営業損失は139億円。本四備讃(びさん)線を除く8路線が赤字と見られ、運行する9路線全体の輸送密度は1989(平成元)年度の55%まで落ちている。
ホテルやマンション、小売り事業など本業以外の収益に活路を見い出そうとしているが、人口が少ない四国で鉄道事業の赤字をカバーするのは難しい。2023年度決算で本業以外の営業利益は26億円にとどまっている。赤字路線を一部廃止するか、上下分離方式の導入などで自治体の支援を受けたいのが本音だろう。
JR四国は2020年、経営自立計画を達成できず、国土交通相から行政指導を受けた。その際、地域と一体となって持続的な鉄道網を検討し、2025年度に抜本的解決策を報告するよう求められた。しかし、自治体側は予讃線や牟岐線でも協議入りを拒んでいる。
愛媛県交通政策室、徳島県交通政策課とも
「利用促進の話し合いは続けるが、存廃協議には応じられない」
と従来の姿勢を崩していない。将来のあり方を協議すれば、存廃論議に踏み込まざるを得ないことを警戒しているからだ。急激な人口減少と高齢化の進行で財政がひっ迫し、上下分離方式導入などの負担を避けたい思いもある。
2025年度に国へ報告するとしたら、残された時間は多くない。JR四国は
「路線の将来を話し合いたいのだが、状況は動いていない」
と焦りの色を濃くしている。