「うちのドライバーは馬鹿ばかり」 中小社長の暴言から浮かび上がる、運送業界の構造的病理
「うちのドライバー、バカばっかりだからさ」──謙そんと言うには、あまりに露骨な言葉である。ある運送会社社長が発したこの言葉の背後には、運送業界が抱える大きな課題が隠れている。
業界全体の経営向上にもつながる
現在では、大手コンサルティングファームなどで、運送会社経営者を対象とした勉強会なども行われるようになってきたが、こういった場に参加するのは志の高い一部の人に限られるだろう。
2019年度実績では、運送会社の半数以上となる55%が運送事業において赤字(経常損益ベース)に陥っている。これは今に始まったことではない。ここ数年、多少の変化はあれど、赤字運送会社の割合は半数を前後している。
赤字化する理由はさまざまだ。だが、運送会社の社長、役員ら経営層の経営スキルがもっと向上すれば、間違いなく赤字事業者の割合は減っていくだろう。
トラック協会などが主導し、運送会社の経営層、もしくは将来の経営者候補などを対象に、経営について学ぶ機会を増やしていくことはできないのだろうか。
「うちのドライバーは……」──こう言われてしまうドライバーも不幸だが、こういう無責任な言葉を口にしてしまう経営者も自らが不幸であることに気がついていない。教育不足は、運送業界全体の課題である。
人手不足など、課題が山積している運送業界だからこそ、今こそ教育に力を入れ、持続可能で力強い業界へと体質改善することを目指さなければならない。
最後にもう一度繰り返す。経営者は、絶対に従業員をばか呼ばわりしてはならない。