「うちのドライバーは馬鹿ばかり」 中小社長の暴言から浮かび上がる、運送業界の構造的病理
「うちのドライバー、バカばっかりだからさ」──謙そんと言うには、あまりに露骨な言葉である。ある運送会社社長が発したこの言葉の背後には、運送業界が抱える大きな課題が隠れている。
なぜ経営者は皆、似た意識を抱くのか

別のエピソードを挙げよう。
運送業界では、エコドライブを推進するのが当たり前になりつつある。CO2排出量を減らす環境貢献の意味合いもあるが、エコドライブを心がけることによって、燃料コストの削減ができるメリットも大きい。
当時、私はトラックメーカーが主宰するエコドライブ研修に参加していた。もちろん、漫然と運転していてはエコドライブにならない。効果的なエコドライブを実現するためには、これまでの運転を見直さなければならない。
すると、参加していた運送会社の役員がポツリとつぶやいたのだ。
「こりゃ、うちのドライバーには無理だわ」
その言葉を聞いた研修担当者はすかさずフォローを入れた。
「大丈夫ですよ、最初は戸惑いますが、皆さんちゃんとエコドライブができるようになりますから」
すると、この役員は「いや、他社さんはともかく、うちのドライバーはとてもとても」と反論したのだ。