物流危機対策、まず急ぐべきは現状の「中継物流拠点」「共同配送」のフル活用だ!
物流危機の中、共同配送が注目されている。中継物流拠点を活用すれば日帰りも可能で、労働環境改善のメリットも享受できる。
国土交通省による整備
中継物流拠点の実証実験や整備は、国土交通省や民間レベルで着々と進んでいる。そのひとつは、広島県廿日市(はつかいち)市で計画しているコネクトパーキング宮島だ。
もともと広島エリアは近畿圏と九州の中間に位置しており、広島県内の小谷SA、八幡PA、福山サービスエリア(SA)、宮島SAのいずれかでトラックドライバーが休憩を取る傾向があるという。2022年3月に宮島SAを使用した実証実験を行った結果、ドライバーの満足度や事業者の導入意向が高いことから整備することとなった。
北海道では、道の駅や除雪ステーションを活用した中継輸送の実証実験が行われていた。実証実験では、トラックドライバーの労働時間削減といった効果が得られたものの、車両位置確認やマッチングシステムの整備が必要とのことだ。地域や輸送量によっては、中継地点を整備するだけでは運用が難しいということだろう。
国土交通省の資料によると、片道約300kmを超えると日帰り運行が不可となることから、片道300~600kmの範囲が中継輸送に適しているそうだ。今後は、輸送量や物流事業者のニーズを踏まえて整備を進めたいとしている。
民間レベルでは、トラック事業者が自社の拠点を利用して中継輸送を行うほか、倉庫事業者、製造業者、あるいは商社が独自に中継物流拠点を設ける取り組みを進めている。