横浜市営バスも次々減便! ドライバー不足という名の「猛毒」は、ついに日本の“中枢”まで入り込んできた【連載】ホンネだらけの公共交通論(6)
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横浜市は4月22日から平日の市バスを77本減らすと発表した。日本全国でバス業界そのものが危機にひんしている。
バス整備への憲法的アプローチ

筆者がこれまで当媒体で論じてこなかった方法論のひとつに、憲法上の期待というものがある。私たちはよくモビリティという言葉を口にするが、これはもともと
「移動の権利」
という意味合いを持っている。すべての人の移動の権利を基本的人権の平等に位置づければ、当然、公共交通を維持するための税金の活用も展開しやすくなる。また、バスドライバーの給与の一部を税金で賄うことを支持する社会的風潮も生まれやすくなるだろう。SDGs(持続可能な開発目標)の時代において、移動環境から
「誰も取り残されない社会づくり」
に貢献する手段でもある。国会議員のマニフェストを見ても、公共交通を前面に打ち出しているものは少ない。経済や福祉に比べ、公共交通は票を獲得しにくいからだ。
しかし、基本的人権の平等とあらゆる人の移動の権利への配慮は、今後大きな政治課題になるだろう。2050年には、人口は約1億400万人(約16%減)になると予想される。そのような時代を見据え、交通の維持に
「憲法の力」
を活用することも検討する必要があろう。
私たちの生活に直結するバス整備の問題を、法学、経済学、人口学、都市計画学など非常に広い視野から考えなければならなくなった。これは社会全体が考えるべき困難で重要な問題であることを、読者の皆さんにぜひ再認識してもらいたい。