横浜市営バスも次々減便! ドライバー不足という名の「猛毒」は、ついに日本の“中枢”まで入り込んできた【連載】ホンネだらけの公共交通論(6)

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横浜市は4月22日から平日の市バスを77本減らすと発表した。日本全国でバス業界そのものが危機にひんしている。

交通税と社会的合意

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 バスドライバーの給料を上げることは、現在の財政状況では立ち行かない。大学生に教えていると、

「路線バスの運賃を上げればいいじゃないか」

という質問をよく受ける。これは至極当然の質問だが、バス業界は鉄道駅のバリアフリー運賃制度に倣い、同制度を採用すべきかどうかと話題になったことがあった。そのときも、利用者の減少につながる可能性があるため、消極的な意見が目立った。

 つまり、運賃の大幅値上げは乗客の流出を加速させるというのが路線バス業界関係者の大方の見方なのだ。著者は学生たちに対し、彼らの意見は過去の経験に基づくものであり、

「軽率に路線バスの運賃を上げるわけにはいかない」

と答えている。

 筆者は以前、当媒体で交通税の導入を提案したことがある。要するに、バスの運行維持の目的税として生活者に一律の交通税を払ってもらい、その税金でバスドライバーの給与を改善し、その結果を「見える化」してフィードバックするという政策である。

 しかし交通税の議論では、

「私はバスを利用しないから払いたくない」

という声が根強い。筆者の交通税に関する記事も賛否両論あり、難しい政策であることは十分理解している。しかし、私たち人間はいつ自家用車を運転できなくなるかわからない。けがや病気の可能性は常にある。

「転ばぬ先のつえ」(事前に注意していれば、間違うことはないという例え)

という言葉を理解し、みんなが移動できる環境を維持することが大切ではないか。先進国のなかでも日本は特に税負担に対する考え方が否定的であり、教育による価値観の転換も必要だと感じる。

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