「これは返金レベル」 1回数万円の“鉄道撮影会”で起きた失態に、ファンの不満爆発? 落胆と満足の境界はどこにあるのか

キーワード :
鉄道ファン向けの有料車両撮影会が人気を集めている。ただ、各内容のレベルは千差万別で、課題も多い。

機関車の「顔」に落ちた影

「『名機は三度、甦る。』撮影会」の(夜間)イメージ。前回の撮影会の様子(画像:JR東日本)
「『名機は三度、甦る。』撮影会」の(夜間)イメージ。前回の撮影会の様子(画像:JR東日本)

「これは返金レベル」
「影落ちひどすぎる」

 1月26日にJR高崎駅構内で開催された、JR東日本高崎支社による撮影会「『EF65 501号機 ヘッドマーク装着撮影会』~ブルートレインに想いを馳せて~」についてのSNSでの感想だ。

 EF65とは鉄道ファンにはつとに知られた機関車で、1965(昭和40)年から2008(平成20)年にかけて東京と九州、山陰などを結んだ寝台特急・急行(いわゆるブルートレイン)をけん引した。

「あさかぜ」「さくら」などの円形のヘッドマークを掲げた姿は鉄道ファンの心をつかみ、1970年代半ばには「ブルートレインブーム」も起こったほどだ。なかでも501号機は1965年に製造された初期型の「500番台」のうち、現役最後の1両。国鉄の全盛期を今に思い起こさせてくれる、数少ない存在である。

撮影会のタイトルどおり、当日は501号機の前面に寝台特急「あさかぜ」のヘッドマークを掲出し、後部には客車を連結。往年のブルートレインの雰囲気を再現した臨場感は、参加者の心をがっちりとつかむ演出になるはずだった。

 しかし、そうはならなかった。参加者したAさんは話す。

「会場に入った瞬間、がっかりしました。なにしろ、機関車の『顔』に架線柱のビームの影がかかって、全く絵にならなかったのです」

架線柱とは電車に送電する架線を支える柱で、ビームとは架線をつるすための梁のこと。冬の快晴の西日が差し込み、電光型のビームの影が、クリーム色の機関車前面に、墨で塗ったようにかかってしまっていた。

 Aさんによると、二十数人いたという参加者の多くは落胆した雰囲気で、仕方なさそうに撮影を始めたという。なかには、JRの社員に車両の移動を求めた参加者もいたが、聞き入れられることはなかった。

全てのコメントを見る