まさかの「EV開発撤退」 アップルが露呈した“異業種参入”という名の巨大リスク
アップルのEV開発計画が事実上破棄された。同社は2014年から開発に多くの予算と人材を投入していた。今後はどうなるのだろうか。
EV市場の現実、世界的な失速

その結果、2024年1月末には、当初計画されていたレベル4の自動運転を断念し、まずは車線維持機能などを保証するレベル2+での実用化を目指す計画に変更されたことが報じられた。EVの商品化も2026年から2028年に2年延期された。
ちなみに、この段階での販売価格は10万ドル(約1513万円)と報道され、ライバル視されていたテスラよりもかなり高価だった。また、この価格でも事業として十分な利益を確保することが難しくなっていた。
・技術
・コスト
・開発スピード
すべてがアップルのEV計画にとって問題になっていた。
加えて、ここ数か月で明らかになった世界的なEV失速も一因といわれている。
欧州では、欧州連合(EU)主導のEV普及策を自動車メーカーがあからさまに懸念している。そもそも推進政策自体に無理があったというのだ。EVの大市場である中国でも同様で、バッテリー生産を含めたEVに必要な資源の確保に業界全体が疲弊し始めていることは否めない。
このような状況では、多額の資金を投入して新規参入事業としてEVを完成させたとしても、事業として利益を確保することはできない。経営陣が意味がないと判断するのも無理はない。
アップルはEV開発に割いていた人員と予算を、遅れているAI技術の開発に充てる。ここでいうAI技術とは、自動運転に特化したAIではなく、いわゆる汎用(はんよう)AIだろう。