水素エンジン車、イギリス高級紙が一刀両断! 「バッテリーを追い越せない」 その理由とは

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“EV先進国”である英リベラル系高級紙「ガーディアン」は2月、記事で「水素がバッテリーを追い越すことはない」と結論づけた。

EVの弱点と水素の強み

英国の2024年1月の新車市場全体(画像:自動車製造業者および貿易業者協会)
英国の2024年1月の新車市場全体(画像:自動車製造業者および貿易業者協会)

 現状見えているEVの弱点をおさらいしたい。

 まずは航続距離がほかにくらべて400kmほどと短いことが挙げられる。短距離の移動ならいいが、長距離の移動には不向きである。充電時間が長く、フル充電ではひと晩かかる。急速充電をするとバッテリーが劣化しやすくなる。

 バッテリーが高価である。傷つくと爆発しかねない問題がある。軽微な損傷があるだけで、修理や評価が不可能となる。

 その一方で、水素の場合は航続時間がかなり長い。ミライの場合、環境にもよるが

・Gグレード:約850km
・Zグレード:約750km

とある。

水素の場合、家での充電はできず、専用の水素スタンドでの補充が必要になるが、車への充電時間は3分程度で、ガソリン並みの速さである。

 水素というエネルギー自体にも魅力がある。元素のなかで最も軽量な水素は、タンクに入れて保管もできるし運ぶこともできる。遠方から電気を運ぶことは難しいが、電気を水素にいったん変換すれば可能になるのだ。

 車のなかで、水素は酸素と結合し、電気を発生させ、車を走らせる。このとき水も一緒に作られるが、CO2を排出しないので、究極のエコだと考えられている。

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