宇都宮LRTに便乗? 和歌山市「LRT導入検討」は、ジリ貧続く人口減“鉄冷え”の街を再生できるのか

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和歌山市は、2024年度にLRT導入に向けた検討を開始する。宇都宮市「ライトライン」の成功に触発され、2024年度に次世代型LRTの導入に向けた検討を開始する。

初期投資確保という課題

和歌山駅、和歌山市駅のほぼ中間に位置する和歌山市役所(画像:高田泰)
和歌山駅、和歌山市駅のほぼ中間に位置する和歌山市役所(画像:高田泰)

 導入に向けた課題のひとつが初期投資だ。

 宇都宮市は宇都宮ライトレールが運行に専念し、軌道整備に宇都宮市と芳賀町が当たる上下分離方式を採用している。かかった事業費は686億円。国の補助が見込めるとしても地方自治体の負担は決して軽くない。

 自治体の規模は和歌山市が人口約35万人、2024年度当初予算案約1500億円に対し、宇都宮市は

・人口:約51万人(和歌山市の約1.5倍)
・2024年度当初予算案:約2300億円(同)

である。ともに中核市に指定されているが、宇都宮市がひと回り大きい。

 宇都宮市と人口約1万5000人の芳賀町は2市町の財政から初期費用を捻出できたが、和歌山市は市の規模が小さい分だけのしかかる負担が重くなる。構想段階からコスト削減意識が欠かせない。

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