宇都宮LRTに便乗? 和歌山市「LRT導入検討」は、ジリ貧続く人口減“鉄冷え”の街を再生できるのか

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和歌山市は、2024年度にLRT導入に向けた検討を開始する。宇都宮市「ライトライン」の成功に触発され、2024年度に次世代型LRTの導入に向けた検討を開始する。

宇都宮市はLRTが民間投資を誘発

和歌山市がLRT導入を検討するけやき大通り(画像:高田泰)
和歌山市がLRT導入を検討するけやき大通り(画像:高田泰)

 利用者数以上に大きいのは、地域に対する

「経済効果」

だ。沿線では「LRT停留場徒歩1分」と宣伝したマンションが即完売したのをはじめ、沿線で開業する店舗や事務所を開設する企業が相次いだ。

 沿線に開発された住宅地の「ゆいの杜」は急激に人口が増え、宇都宮市で26年ぶりに小学校が新設された。沿線の人口増加は10年間で4000人を超える。宇都宮市の中心市街地は宇都宮駅西口だが、市内の地価トップが2020年、東口となる現象も起きた。ライトラインが沿線で民間投資を誘発し、活気づかせている格好だ。

 ライトラインの整備は慢性的な交通渋滞の緩和が目標のひとつだったが、芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会の報告では、2023年11月現在でライトラインと接続するバス利用者が増える一方、車の通行量が2年前より約1割減っている。宇都宮市LRT整備課は

「ライトラインが市民の移動手段として定着してきた」

と見ている。

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