高速トラックが時速90kmに! 最高速度より「賃金」引き上げが先決だ
減少するトラック交通事故

この最高速度の引き上げは、2023年6月に政府が2024年問題対策としてまとめた『物流革新に向けた政策パッケージ』で示したものだ。
実際の文章は、こうだ。
「交通安全の観点から現在 80キロメートル毎時とされている高速自動車国道上の大型貨物自動車の最高速度について、交通事故の発生状況のほか、車両の安全に係る新技術の普及状況などを確認した上で、引き上げる方向で調整する」
文章はこれだけで、最高速度を引き上げることの意味や効果は示されていない。
ともあれ、政府方針を受けて警察庁では2023年7月から「高速道路における車種別の最高速度の在り方に関する有識者検討会」を開催し「最近の交通事故発生状況や車両の安全に係る技術の向上といった実情に即した最高速度が設定されることが望ましい」として、最高速度の引き上げは妥当とする意見をまとめた。主な理由はこうだ。
・実態調査では、ほとんどの路線で実勢速度が時速90kmに近い速度(時速87キロ)になっている
・速度抑制装置(スピードリミッター)が導入され、交通事故件数は減少している
提言にも示されているように、トラックの交通事故件数は年々減少傾向にある。
・2003~2007年:4037件
・2013~2017年:2921件(27.6%減)
・2018~2022年:1927件(52.3%減)
また提言が最高速度を90kmにしたのは、速度抑制装置の基準に加えて、自動車メーカーは時速90kmまでを安全な範囲として車体を設計しているためだ。だから、提言では
「更なる速度規制の緩和に対する社会的要請等があり、また、90キロメートル毎時よりも高い速度に対応した車両が開発されるなどの状況の変化が生じた場合には、将来的に100キロメートル毎時等への最高速度の引上げを検討する可能性は排除されるものではない」
と、今後さらに最高速度をアップする可能性もあることに言及している。