高速トラックが時速90kmに! 最高速度より「賃金」引き上げが先決だ

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2024年問題とは、2024年4月からトラックドライバーに年間960時間という時間外労働の上限が課せられ、輸送力不足が深刻化することである。その対策として、なぜ最高速度の引き上げが行われるのか。

最高時速90km引き上げは「愚行」

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 今回の最高速度の引き上げは時速90kmだが、将来的には時速100kmに引き上げたいという意見は根強いようだ。しかし、あくまでこれは試算にすぎない。

 拘束時間が短縮されたとしても、配送時間に対する要望はより厳しくなるだろう。それに、速度がアップすればそれだけ燃費は増えるのでコストが維持改善できるかも疑問だ。そして、事故の懸念もより増していくだろう。なにより、拘束時間が2時間短縮されたとして、そのぶんの

「ドライバーの賃金」

はどうなるのか。

 今回の最高速度の引き上げは、業界の試算に対して政府が目に見える結果を求めようとする姿勢によって達成されたように見える。法律の条文を変えるだけで結果を示すことができるのだから、他の政策より簡単なのは明らかだ。それは筆者(樋口信太郎、バス・トラック評論家))の性急な考えだと思いたい。

 必要なのは最高速度の引き上げではなく、賃金の引き上げである。政府は、2024年問題を解決するため、来年度にトラックドライバーの賃金を10%程度引き上げることを目指す方針を示しているが、本当に大丈夫なのか。

 長々と書いたが、最後にひと言。最高時速90km引き上げは

「愚行」

である。トラックドライバーはエッセンシャルワーカーということを忘れるな。速度上げるな、賃金上げよ。

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