「技術軽視」「利益優先」 エミレーツ航空社長がボーイングに重大警告を発した理由

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エミレーツ航空のティム・クラーク社長は、『フィナンシャル・タイムズ』のインタビューでボーイングに警告を発した。いったいなぜか。

事故回避への重要な教訓

ボーイングのデービッド・カルフーンCEO(画像:ボーイング)
ボーイングのデービッド・カルフーンCEO(画像:ボーイング)

 ボーイングのデービッド・カルフーン最高経営責任者(CEO)は、2月9日に自社の過ちだと表明した。また、従業員に対して、

「われわれは第一に自分たちの過ちを認め、すべての過程において完全な透明性を確保して100%で取り組んでいく」

と述べたという。

 このボーイングの姿勢に対し、ティム・クラーク社長は、ボーイングが非常ドア落下の非を素直に認めたことを評価している。とはいえ、ボーイングが製造する機体には、2023年来安全には影響しないとするものの不適切事象が続いていた。他のB737MAX機では、

・2018年:ライオン・エア610便
・2019年:エチオピア航空302便

が、飛行制御ソフトウエアの欠陥により墜落している。

 ハインリッヒの法則に照らせば、非常ドアの落下を29件のうちのひとつと考えれば、その発生に近づいていると思えなくもない。なお、ハインリッヒの法則とは、労働災害の経験則で、重大事故の背後には重大事故に至らなかった29件の軽微な事故があり、軽微な事故の背後には300件のヒヤリハット(危険ではあったが、幸いにも災害には至らなかったこと)があるというものである。

 航空機の製造不良を原因とする大きな事故がおこらないように、ティム・クラーク社長の警告が安全側に作用することを祈るのみだ。

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