トヨタグループの相次ぐ不正は“日本の歪み”そのものだ 「現場との断絶」「セクショナリズム」、第三者委の調査書を改めて読む

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トヨタグループの不正行為の背景を再確認するため、豊田自動織機、ダイハツ工業、日野自動車の第三者委員会の調査報告書を改めて整理する。

騒動が映し出す日本企業共通の課題

豊田自動織機のウェブサイト(画像:豊田自動織機)
豊田自動織機のウェブサイト(画像:豊田自動織機)

 豊田自動織機の件は、「受託体質」があったとはいえトヨタ自動車は関係者に違いない。ダイハツ工業や日野自動車は、トヨタ自動車の関与というより、部長級以上の役職者の無作為および現場への過度なプレッシャー、セクト意識や不正に関与した部署や担当者の孤立にあるように思える。

 トヨタ自動車関連では、ここに挙げた不正のほか、過去にはレクサス販売店における車検不正もあった。

 このレクサス販売店における車検不正では、

・販売店の人員や設備が、仕事量の増加に追い付かないことによる負荷
・車検制度への認識不足
・販売店の幹部と現場との風通し・風土

を、トヨタ自動車は不正の背景として公表している。レクサス販売店も、先の報告書で指摘している不正の背景と一致している部分が多いのではないだろうか。

 いや、冷静に考えると、「経営陣と現場の意識の断絶」「現場への過度なプレッシャー」「セクショナリズム」は、日本国内で何かことが起こるたびに耳にするフレーズだ。ということは、トヨタ自動車グループの一連の騒動は、トヨタ自動車や自動車業界というより、日本のゆがんだ部分そのものといえる。

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