昭和の軽自動車はなぜ「うるさい」と嫌われたのか? 大人気時代の今こそ考える
規制が比較的緩かった昭和の時代、軽自動車はしばしば「非力」「うるさい」と批判された。なぜか。その理由を考えてみよう。
国が設ける騒音規制

では、現在の騒音対策はどうなっているのか。
自動車の騒音対策については、国の法律で厳しい環境基準が定められている。これは小型な軽自動車だけでなく、普通車にも適用される。
具体的には、走行音だけでなくマフラーからの排気音も含まれ、1988(昭和63)年に導入された「近接排気騒音規制」を皮切りに、徐々に厳しくなっている。そのため、軽自動車にも規制に適合した設計が求められるようになった。いわば、環境省が定めた基準が軽自動車の騒音レベル低減に一役買っているのだ。
さらに2018年から2026年にかけて、タイヤの騒音についても規制が設けられる。自動車メーカーだけでなくタイヤメーカーも協力して、ロードノイズを低減する新技術の研究開発・導入に取り組んでいる。
そのほか、エンジンや排気系統の改良、タイヤ設計の変更、車体の断熱材の導入などもその一環であり、軽自動車の騒音がさほど気にならないと感じる人が増えている。
とはいえ、急加速・急ブレーキ時の騒音やアイドリング時の静粛性については改善の余地があるというのが政府の見解だ。