日本が誇る「宅配品質」を破壊? アマゾンは「誤配達→廃棄」という愚行をやめるべきだ

キーワード :
,
このままでは、アマゾンが日本の物流、特に貨物自動車運送ビジネスを破壊してしまうかもしれない――。そうした危機感が現在漂っている。

歪み始めている軽貨物自動車運送

置き配のイメージ(画像:写真AC)
置き配のイメージ(画像:写真AC)

「宅配ボックスが空のまま施錠されて困っています」

というNHKの報道があった。

・マンションの宅配ボックスが空のまま施錠されている。
・理由は、個人事業主の軽貨物自動車運送事業者が結託し、宅配ボックスをキープしているから。
・軽貨物自動車運送事業者の立場では、宅配ボックスに空きがないことで再配達になることが嫌なのはわからないでもない。その結果として、マンションへの配達を担当する軽貨物自動車運送事業者らが結託して、宅配ボックスの暗証番号を共有、「空の宅配ボックスを不正な方法でキープする」というモラルハザード(倫理観の欠如)が発生している。

 筆者が一部のフリーランスの軽貨物自動車運送事業者のこのようなふらちな行為に気づいたのは、半年ほど前のことである。しかし、NHKの報道によれば、このような不正行為が確認されたのは2021年の秋ごろだという。

 アマゾンには主に三つの配送方法がある。

●アマゾンフレックス
 個人事業主(フリーランス)の軽貨物自動車運送事業者と業務委託契約を結び、配達を担う。

●デリバリープロバイダ
 デリバリープロバイダと呼ばれる運送会社に配達を委託。デリバリープロバイダの社員ドライバーが配達を行うケースもあるが、デリバリープロバイダが業務委託契約を結ぶ個人事業主の軽貨物自動車運送事業者による配送が大半を占めていると考えられる。

●宅配事業者による配送
 宅配事業者に配達を委託。現在は、日本郵便がその大半を請け負う。

 宅配ボックスを不正占拠しているのは、アマゾンフレックスとデリバリープロバイダの下で働く個人事業主の軽貨物自動車運送事業者(軽バン配達員)だと考えられる。なぜ、一部の軽バン配達員は、このようなふらちな行為に手を染めるのか。

 アマゾンの配達を担う軽バン配達員は、2~3分に1個の荷物を配達しているといわれている。筆者が東京で出会ったある配達員は、1日13時間働き、平均300個の荷物を配達しているといっていた(さすがにこれはイレギュラーだと思うが)。そんな一分一秒を惜しむ働き方をしている軽バン配達員たちは、できるだけ多くの配達をするために、宅配ロッカーを不法に占拠していると考えられている。

 他にも、駐車禁止場所(例えば交差点内、駐停車禁止場所など)に駐車して配達を行う軽バン配達員や、他人の駐車場や私有地に駐車する軽バン配達員などを目にすることがある。このようなモラルハザードが、あちこちで見受けられるようになった。

全てのコメントを見る